MESSAGE FROM THE PRESIDENT

一般社団法人宮崎青年会議所 2020年度理事長所信

【はじめに】
自分が先頭を切る。まずは自分が熱くなること。自分から動きだすこと。
その姿を見て、冷ややかになったり、離れていったりする人もいるだろう。
だが同時にその想いを受け止めて、一緒に熱くなってくれる人も必ず現れるだろう。
誰かにとって否定的なことは、誰かにとって肯定的なことでもある。
だから自信をもって好きなことは好き、嫌いなものは嫌いだと言えばいい。
そうすれば、周りの人間が入れ替わって、新しい仲間が次々と加わり、事を成し遂げる空気が生まれる。同じ志に向かって、ともに歩める仲間は貴重であり、かけがえのない宝です。
やろう、とひらめく。そのとき「いまやろう」と腰を上げるか、「そのうちに」といったん忘れるか。やろうと思ったときに、なにかきっかけとなる行動を起こす。
それができない人は、いつになってもはじめることができない。
むしろ次第に「まだ準備ができていない」という思い込みの方が強くなっていく。
いつの日か、十分な知識、道具、技術、資金、やろうという気力、いけるという予感、やりきれる体力、そのすべてが完璧にそろう時期がくると信じてしまうのだ。だが、いくら準備をしても、それらが事の正否を決めることはない。いかに素早く一歩目を踏み出せるか。いかに多くの問題点に気づけるのか。いかに丁寧に改善できるのか。少しでも成功に近づけるために、できることはその工夫しかない。
よく行動する人は、知識は必要最低限でいいと考える。なぜなら実際に動く前に、わかることなんてほとんどないと知っているからである。だからよく失敗する。だがそれで「順調」だと思っている。そのように私たちの「脳」は、自分の行動をうまく正当化するようにつくられている。小さくても、「一歩を踏み出す」という行為さえ続けていれば、「なぜこれが正しいのか」脳が勝手に理由を集めてくれる。行動につながらない学びは、無意味だと考える。大切なのは、不安をなくすことではない。いかに早く、多くの失敗を重ねることができるか。そして、「未来はいくらでも自分の手で生み出すことができる」という自信を休むことなく生み続けることなのである。

一般社団法人宮崎青年会議所
第六十九代理事長

FUKUTARO KURODA

黒田 福太郎

未来への挑戦

総務省の人口動態調査で、2019年1月1日時点の国内の日本人は1億2477万6364人で、前年から過去最大の43万3239人減少。マイナスは10年連続で、2018年の1年間の出生数は、92万1千人で、3年連続減少。死者数は、6年連続増の136万3564人。人口に占める65歳以上の割合は、28,06%。働き手となる15.64 歳は、59,49%。都道府県別で伸びたのは東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と沖縄のみ。外国人は16万9543人増の266万7199人だった。宮崎県の人口は109万7293人、このうち65歳以上は、34万3237人、人口に占める割合は31,28%。また、外国人は2018年から763人増え6462人。増加率は13,39%で全国6位。年間出生数が100万人を割り、今後も出生数減少の流れが止まりそうにありません。出生数の減少は、人材の育成・確保を困難にします。子どもの絶対数が激減するので、今までのように各分野に人材の輩出ができなくなります。これまでの人手不足は景況に大きく左右されるものでしたが、今後は絶対的に後継者不足に陥り、人材の争奪戦の結果、特定分野に偏れば社会が機能しなくなります。農業や建設業といった力仕事のみならず、若きリーダーを求める職業は多く、音楽やファッション、新たな文化の発信もその担い手の多くは若者世代であり、出生数が激減する社会は、あらゆる分野において活力を失う社会となります。 人生100年時代と言われているが、団塊世代全てが75歳以上になる2025年。認知症患者の増加や社会保障費の膨張、地域の足や高齢者向けの住宅をどう確保していくのかなど、これまで問題視されてこなかった課題が2025年を前に一気に表面化していきます。また、このような課題は直近で解消されるわけではなく、根気強く地域と連携して解決していかなくてはいけません。自分の住む土地や故郷に愛着を持つのは、自然な感情であり、地域への思い入れが日本人の多様性、奥深さを生んできました。しかし、地域を大切にすることと現行の行政区分を維持することは必ずしも一致しません。地方創生は、市区町村を残すことが目的ではなく、人口減少社会に対応し得る統治機構として見直す作業です。人口減少に適したコンパクトで効率的な社会に作り替えていくことは、自治体の権現や役割を根源から考え直すことが不可欠です。20年後、30年後の未来に想いを馳せ行動するJCだからこそ、まちの存続すら脅かすこの問題に取り組んでいきたい。

持続的なつながりの拡大と質向上へ

JCは長きに渡り、明るい豊かな社会の実現を目指し運動を続けてきています。しかし、近年会員減少が続き、組織として社会に対する発信力が十分であるとは言えない状況にあります。それは、今までの拡大計画にあります。拡大の活動は、組織と社会の最大の接点であり、JCをより良く変えるきっかけになります。どのような組織も社会の変化についていかなければ消滅する定めにあります。宮崎JCの実態に見合った拡大計画と多様性を活かした新しいJCのあり方を議論し、時代に即した組織を形成します。 メンバーの在籍年数の低下、約半数が入会3年未満となっている現状では、持続可能な解決をもたらす最大の鍵は人材育成であります。JCIコース及び日本JC公認プログラムを活用した人材育成を実施し、行動する意識を高め、具体的な機会に寄与する必要があります。JCの本質を理解し、知識を身に付け、地域活性につながるアクティブシチズンを育成します。 宮崎には、日本人の自然やモノ、有形無形なモノ全てに神が宿り、価値を感じ、空間的、 時間的な背景や繋がりを大切にする世界に誇るべき価値観と美意識があります。地域資源である子ども、教育機関、行政、企業などとパートナーシップを結び、宮崎の持つ文化をより魅力ある資源へと磨き上げることで宮崎の未来に希望を見出していきたい。

誰も取り残さない持続可能な宮崎へ

2015年に国際連合が掲げた持続可能な開発目標SDGsは、17のゴールと169のターゲット、232の指標が掲げられた国際目標です。SDGsは歴史上初めて、国際連合加盟国193ヶ国全てが完全な全会一致で、合意した歴史的な政治宣言であり、社会課題が拡大複雑化する中で、世界がどのような未来を目指すのかを明確に定めたものとなっています。JCの運動は本質的に全てSDGs達成と強く関係するものであり、私たちが実施する事業の多くは、SDGsのゴールと関係性があります。一方、何から始めればよいか分からないと難しさを指摘する声もあります。確かにSDGsの目標は幅広く、地球規模という印象が強いため高いハードルに映るかもしれません。では、何もしなければどうなるか。異常気象により、日本を含む世界各地で大災害が今以上に起きるかもしれません。飢餓や貧困を背景に社会がさらに不安定になって、テロや内紛が増えるかもしれません。深刻なのは、大人は難を逃れたとしても、子どもたちが生きていく間やこれから誕生する子どもたちが生きる時代に、今より厳しい現実が待っているかもしれない。これを避けられないか、今のうちに解決できることはないか。こんな切実な願いから生まれたのがSDGsです。持続可能な開発目標を子どもたちの未来を守る決意と頭の中で置き換えるとSDGsは、ぐっと身近になります。SDGsという幸せに向かう世界共通の物差しがあることを伝え、宮崎県内で一番SDGsを推進している団体を目指します。2011年60周年に、NEXT10構想が制定され、2021年に70周年を迎えます。本年度は、2020年代中長期ビジョンを掲げ、宮崎JCの歴史からNEXT10の検証と次世代の10年に向かいます。 世界中のあらゆる地域で、国籍や人種、思想、文化、言語、性別、年齢、専門性など、さまざまな違いを持った人材が活躍しています。人材の多様性こそが、これまでにない革新的な発想やアイデアをもたらし、社会の課題解決に寄与する新しい価値を生み出す源泉だと考えています。ただ多様な人材が存在するだけでなく、違ったものの見方ができる人が集まる組織は、強く健全であります。その中で女性が参画することで、すべての組織の問題が解決することができるのか、また、男性だけでも多様な組織を作る事は理論上できます。しかし、それぞれが固有の能力を発揮し、多様な視点を持つ人をどう素早く集めたら良いかを考え、まずは性別や年齢、学校や国籍等を多様にするという方法を活用し、切磋琢磨しながら、互いに高め合い新しい価値を創造していきます。 時代の変化を捉えて社会を変えるのに最も必要なのは、それを実現できる人材です。しかし、現在の高等教育は新しい時代に必要な能力、特に職業的能力、対人的能力、組織的能力を十分に育めていません。また、既に教育を終えた年代も時代の変化に対応した教育を 再度受ける必要が出てきています。私たちは、まつりえれこっちゃみやざきを通じて、宮崎の高等教育機関と連携しながら、パートナーシップを築き、行政や各種団体を巻き込んで、地域全体で地域の若者に新しい時代に必要な能力を身につける場を作るとともに、自らの学びを得る場を作ります。

持続的なインパクトを与える機動的な組織運営

公益性とコンプライアンスの確保は、組織の存続にとって不可欠です。しかし、個人の暴走を防ぐことは容易ではありません。一人ひとりのコンプライアンスの意識を向上すると同時に、組織的なコンプライアンスの確認体制を整備し、組織のガバナンスを強化していきます。2019年6月2日に、宮崎市と宮崎市社会福祉協議会と宮崎JCとの間で「災害時の協力に関する協定書」の調印式が行われました。私たちはまさに、災害と隣り合わせに生きています。いつ起こるかわからない災害を前に、地域に広がるネットワークを駆使し、防災・減災に取り組んでいる団体、行政、企業、学生と連携することで、共に防災体制の整った宮崎をつくることができます。「防災を自分ごととして捉え、多様な災害に備える社会」の実現に向けて進んでいきます。 広報は、私たちの計画及び活動の大事な要素です。宣伝とは分けて考える必要があります。宣伝は単に情報を広める手段であり、優れた広報では情報伝達は必須ですが、最も重要なのは私たちが達成したいこと、そして、それをどうやって達成するかを伝えることであります。最良の広報には会員及び地域に真の価値をもたらす、良く計画され、うまく実施されたプロジェクトが必要です。ホームページ・SNSの活用、報道機関や他のメディアと連携し、戦略的な広報を計画します。 持続的な成長を実現するために、適切な権限委譲を行い、一人ひとりがモチベーションをあげ、主体的にJCに関わるようにOODAループを実践し、組織改革をしていくことが重要であります。事業の生産性を抜本的かつ持続的に向上させ、時代に即したワーク・ライフ・バランスを実現し、一人ひとりが主体性をもち、やりがいを感じられる次世代自律分散組織=ワクワクする組織に改革していきます。

結びに

自分の中に眠り、まだ日の目を見ない人望と才能。
それを引き出してくれるのは、ほぼ例外なく自分の仲間になる人か、
自分の師匠にあたる人物です。
「誰よりも熱く、誰よりも冷静に」
私が尊敬するのは、その人の能力ではなく生き方であり、知識ではなく行動です。
全てのことに感謝し、覚悟をもって行動しよう。